バイノーラルマイクの自作方法を紹介したいと思います。
用意するものは以下のとおり。
![自作バイノーラルマイクに使う道具](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku1-3-e1554455743799.jpg)
- コンデンサーマイク
- イヤホン
- 平行シールドケーブル
- 3.5mmミニプラグ
- 熱収縮チューブ
- はんだごて30w
- はんだ
- グルーガン
- ペンチ
作り方を簡単に言うと、シールドケーブルをコンデンサーマイクと3.5mmミニプラグにはんだ付けし、ダイソーの200円イヤホンに付け替えるだけ。
当初はダイソーのイヤホンについているケーブルを使っていたのですが、ノイズがひどいので、ノイズ対策のためにシールドケーブルを使います。
100均などのイヤホンを使ってバイノーラルマイクを自作する際、イヤホンのコードを使うと高周波のような耳障りなノイズが入ってしまいます。
その対策のために、芯線にシールド線が巻かれたシールドケーブルを使うとよいです。
そのため、せっかく200円で購入したイヤホンですが、イヤホンの外装(ハウジング)のみ使います。
わざわざ200円のイヤホンを使う理由は、後で説明します。
工程は単純ですが、はんだづけがうまくできるかポイントになってきます。
目次
まずはイヤホンの分解から
100均のイヤホンは接合部分が甘いので、以下のようにペンチではさみ、黒い部分をグリグリ回したら外れます。
![イヤホンの分解](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku2.jpg)
開けると内部はこんな感じ。
![イヤホンの分解2](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku3-2-e1554455811884.jpg)
今回はイヤホンの外装だけを使うので、ケーブルとイヤホンのコイルを外してしまいます。
![イヤホンの分解3](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku4-1-e1554455838918.jpg)
イヤホンのコイルとケーブルは使わないので捨ててしまってかまわないです。
さらにイヤホンの外装に穴を開けます。
![イヤホンの分解4](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku5-1-e1554455890626.jpg)
今回使ったダイソーの200円イヤホンは、このように穴が開けやすい構造になっています。
穴はドリルなど使わずに、ドライバーなどで数回叩けば、簡単に開けることができます。
しかも、ぼくが購入したコンデンサーマイクの大きさとほぼ同じなため、この穴にマイクを固定することができるというわけです。
これがわざわざダイソーの200円イヤホンを使う理由です。
コンデンサーマイクとケーブルをはんだ付けする
コンデンサーマイクにケーブルをはんだ付けする前に、先ほど分解したイヤホンの外装にケーブルを通しておきます。
![イヤホンの分解5](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku10-1-e1554455910525.jpg)
では、ケーブルをつける位置を解説します。
今回購入したコンデンサーマイクは、以下のような構造になっています。
![コンデンサーマイクの説明書](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku6-1-e1554455933540.jpg)
ちなみにぼくが購入したコンデンサーマイクは、リードピンが付いているタイプです。
リードピン付きにしたのは、はんだごての熱伝導による損傷を最小限にとどめるためです。
コンデンサーマイクは熱に弱いので、長時間はんだで熱せられると壊れてしまいます。
ある程度熱せられると、まず集音する音量が下がってしまいます。
そしてもっと長い時間熱せられると、最終的にまったく集音することができなくなるといった感じです。
さっと短時間ではんだ付けすることがポイント。
もしはんだがなかなか付かなくて時間がかかってしまう場合は、一度はんだ付けを中断して、時間をおいてから再度行うとよいです。
また、コンデンサーマイクをしっかりと固定することも大事です。
接続部分はプラスとグランドに分かれていて、2つの線をはんだ付けします。
この位置を間違えて付けると、マイクが機能しないので注意が必要です。
シールドケーブルの線は右と左それぞれに中心導線と、それを囲うようにシールド線が巻かれています。
![シールドケーブルの内部](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku7-1-e1554455997212.jpg)
この中心導線をコンデンサーマイクのプラスに、シールド線をグランドにはんだ付けしていきます。
コンデンサーマイクのリードピンとケーブルに、前もってはんだを少しつけておく(予備はんだ)と、はんだづけが楽になります。
![コンデンサーマイクとシールドケーブル](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku8-1-e1554456019202.jpg)
無事、はんだでコンデンサーマイクとケーブルを接合させることができました。
![コンデンサーマイクにシールドケーブルを接合させたところ](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku9.jpg)
同じようにこの作業をもう片方行います。
3.5mmステレオミニプラグとケーブルをはんだ付け
![3.5mmステレオミニプラグにはんだづけするところ](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku11.jpg)
3.5mmステレオミニプラグを上のようにはんだ付けしていきます。
はんだ付けするところは、右と左とグランド(シールド線)の3ヶ所。
ここまでできれば、とりあえずサウンドチェックします。
サウンドチェック
コンデンサーマイクは電源が必要です。イヤホン型コンデンサーマイクの場合、マイク端子から電源供給できる機器でのみ使うことができます。
これをプラグインパワーと呼ぶのですが、プラグインパワー対応でステレオマイク端子がある機器であれば使うことができます。
定番はTASCAMのハンディレコーダー「DR-05」です。
![](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/03/dr-05.png)
比較的安価で高音質なことから人気があるハンディレコーダーです。
ぼくはZOOMのハンディレコーダーH6を持っているので、これでサウンドチェックしていきます。
ハンディレコーダーでコンデンサーマイクを使うときは、機器側でプラグインパワーをオンにすることをお忘れなく。
サウンドチェックしてみたところ問題なく集音することができていたので、グルーガンでマイクを固定していきます。
コンデンサーマイクをイヤホンケースに固定
![コンデンサーマイクとハウジング](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku12-1-e1554456052120.jpg)
コンデンサーマイクの直径とぴったりです。
ここにグルーガンでボンドを流し込み、コンデンサーマイクを固定させます。
![コンデンサーマイクをグルーガンで固定](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku13.jpg)
固まったら、フタとイヤーピースを取り付けて完成。
![完成した自作バイノーラルマイク](https://asmrlabo.com/wp-content/uploads/2019/04/jisaku14.jpg)
イヤホンの裏側にマイクを取り付けているので、耳につけながら録音することができます。
もちろんイヤホン機能はないですが。
自作バイノーラルマイクでASMRを撮ってみた
さっそく自作したバイノーラルマイクを使ってASMRを撮ってみました。
いかがでしょう?なかなかの高音質ではないでしょうか。
シールドケーブルを使用しているので、パソコンなどの電子機器によるノイズも抑えられています。
ただ、ホワイトノイズが若干入ってしまいますが、そこまで気になるレベルではないと思います。
自作バイノーラルマイクの感想
使用したマイクは小型ですがさすがコンデンサーマイクだけあって、ここまできれいに音が録れます。
バイノーラルマイクは、普通に購入したら10,000円ぐらいします。
それがたった1,000円ほどの材料費で、これほどの高音質マイクが作れるわけです。
この自作バイノーラルマイクとTASCAMのハンディレコーダー「DR-05」を組み合わせて使えば、1万円ちょっとでバイノーラル録音のための機材がそろってしまいます。
もはやコスパ最強といっていいでしょうね。
まだバイノーラルマイクを持っていないという人は、ぜひ自作してみるといいですよ。
私はそんな器用じゃないという人は、今回作った自作バイノーラルマイクをメルカリで販売しているのでチェックしてみてください。